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インタビューシリーズ:interview-05

「完全優勝したロボカップジャパンオープン2009(ヒューマノイドリーグ)」・・・南方准教授に訊く

2009年5月8日、大阪市西区の京セラドーム大阪で「ロボカップジャパンオープン2009大阪」が
開催され、6カ国222チーム(約700人)が熱戦を繰り広げました。
その中で千葉工業大学を中心とするCIT BrainsがヒューマノイドリーグにおいてKid Sizeおよび
Teen Sizeの全4種目を制し完全優勝を果たしました。
CIT Brainsは、6月29日からオーストリア・グラーツで開催される第13回世界大会へ出場します。

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聞き手このたびは完全優勝おめでとうございます。
まずは率直な感想をお聞かせ下さい。
南方応援ありがとうございました。今年は我々のチームは世界大会を目指して調整をしてきましたので国内での完全優勝は嬉しいのですが、まだまだこれからという気持ちですね。
聞き手頼もしいですね。
まずロボカップについて基本的なことをお聞きしたいのですが。
南方会場風景詳しくはオフィシャルサイト(ロボカップ日本委員会 http://www.robocup.or.jp/)を 見ていただきたいのですが、「2050年、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自立型ロボットチームを作る」という夢に向かって研究を推進し、基礎技術を波及させることを目的としています。
ロボカップジャパンは、日本で開催する地域大会の位置付けになるかと思います。
聞き手ロボット対人間のサッカーの試合ですか、夢がありますね。どちらのサポーターになろうか悩みます。自律移動型のロボットなんですよね?
南方はいそうです。我々が日頃研究しているロボット工学や人工知能の技術分野です。「自分で考えて自分で動く自律移動型」ですから試合が始まったら我々は腕組みをして見ているだけです。手出しは一切できません。
聞き手そうすると日頃の研究成果がストレートに反映されますね。種目は対戦方式のサッカーの他に何がありますか?
南方大きく分けると【ロボカップサッカー】【ロボカップレスキュー】【ロボカップ@ホーム】 それから【ロボカップジュニア】があります。
【ロボカップレスキュー】ではfuRo(未来ロボット技術研究センター)の小柳先生が先駆者として活躍されているのをご存知かと思います。
【ロボカップサッカー】は更に小型・中型・ヒューマノイドと分かれますが、そのヒューマノイドが我々の主戦場です。 またこのヒューマノイドの中には■Kid Size(□テクニカルチャレンジ□3on3サッカー) および■Teen Size(□テクニカルチャレンジ□ドリブル&キック)という4つの部門があります。
聞き手なるほど。今回この4部門全てを完全制覇されたんですね。すばらしいですね。
ところでCIT Brainsというチームはいつから始動したんですか?
南方会場風景もともとは林原先生が未来ロボティクス学科ができる数年前から数人でロボカップジャパンに参加されていました。当学科が3年前にスタートしたときに林原先生からお声掛けいただき今に至ります。
CIT Brainsには林原先生と私、学内の学生6名と他大学や機材を供給してくれる企業など17名の合同チームから なります。(*チーム一覧参照)
聞き手現在4年生になる学生さんは1年生の時からロボカップに参画し土日返上で研究に没頭、 その時間を換算すると3000時間研究に費やしたことになると伺いましたが・・・。
南方そうですね。大会が終わると次の年の大会へ向けて研究開発を開始します。大会2ヶ月前ぐらいになると芝園の11号館に立てこもります(笑)。そこらじゅうで寝ていたり、すごいことになっています。
聞き手いつの時代も最先端の華やかさの裏には人知れず努力されている人がいるんですね。ごろ寝はともかく(笑)、よき伝統を築いていらっしゃいますね。
では6月末から行われる世界大会への意気込みをお願いします。
南方もちろん優勝ですね。2007年は初出場ながらKid Sizeテクニカル部門で世界第2位、昨年2008年はKid Sizeテクニカル部門と3on3部門、Teen Sizeテクニカル部門の合計3部門で世界第3位の成績を収めることができました。
聞き手すごい、まだチームがスタートして4年目なのに。 しかも年々調子を上げています。
南方はい、ですから今年は優勝といきたいと。それから世界大会ではベストヒューマノイド賞という 部門があります。これはロボットの動きだとかデザインだとか・・・。
聞き手野球で言うゴールデングラブ賞みたいなものですか?
南方会場風景そうですね。この賞は、世界から出場したチームの投票により決定します。授与されるカップがファッションブランドの「ルイヴィトン製」であることからルイヴィトンカップと呼ばれています。ぜひこのカップを持って帰りたいですね。
聞き手林原先生も同じことをおっしゃっていました(笑)。
優勝はもちろんのこと、ぜひ優勝に花を添えるルイヴィトンカップも持ってきてください。
本日はありがとうございました。

(*聞き手:スタッフM)

CIT Brainsメンバー   ()の数字は学年
南方英明(准教授)、林原靖男(准教授)、清家洋平(院2)、一澤勝弘(4)、吉澤将(3) 町浩輔(2)、高松和城(2)、山田幸果(2)、東京大学大学院、関西学院大学大学院、はじめ研究所、アクセス、ブレインズ