学科について教員紹介大久保 宏樹イントロ

大久保 宏樹

【スポーツバイオメカニクス研究室】Sports Biomechanics Laboratory

研究室では・・・

「ダイナミクス」を駆使してロボット開発、そしてスポーツ支援。
普段、見慣れた中にも興味深い力学的現象はみられるものです。また、ダイナミクス解析をすると意外なことがわかることがよくあります。つまらないと思えることでも、計算してみると予想と違う結果がでることもあります。スポーツには未知の部分がたくさんあり、もっと人間はすごいプレーができると思います。ロボット工学もスポーツ工学も夢があってわくわくする分野です。

これまで・・・

東北大学大学院在学中に現在の学科長の中野教授の指導のもと、跳躍ロボットの研究を始めた。DCサーボモータを1つ渡され、「跳躍させてみよう」と。そこで、いろいろな形の跳躍ロボットを考え、どれだけ跳躍できるかを計算し、実際に跳躍を成功させた。その時、ダイナミクスのすばらしさを実感した。その後、コンピュータ、バッテリ搭載型の自立型跳躍ロボット、小さなDCモータでも跳躍を可能にする自己振動型跳躍ロボット、大きな段差移動可能な車輪型移動ロボットを開発。いずれのロボットも綿密なダイナミクス解析を行った後に設計製作され、その成功率は100%。
2001年、University of California-Davisでスポーツ工学の分野で世界的に有名なMont Hubbard教授に出会い、スポーツ工学に携わる。そこではダイナミクスを駆使し、バスケットボールのショット解析を行い、どんなリリース条件でショットをすれば、成功率が高いかを解明。剛体でないボールがリングやバックボード、時々同時にリングとバックボードにあたる。ボールの接触点では滑べったり転がっていたりする。バスケットボールのショット解析は非常に複雑。でもダイナミクスを駆使すると計算できてしまう。ダイナミクス解析からつくり出されるバスケットボールショットのアニメーションは、国際会議で多くの注目を集めている。

メッセージ

どのように運動すれば、あるいは運動させれば、うまくできるのか? ロボット工学とスポーツ工学の共通のテーマです。運動の本質的な問題を解き明かすことが、無駄のない、そして優雅な動きを実現する第一歩です。全体の動きをよく観察し、仮説をたて、検証して、真理を導き出す。この作業は簡単ではありませんが、達成したときの喜びは格別です。いろいろな運動の本質を解き明かしていきましょう。