「インタビュー 藤井先生に聞く」先生と恩師について I

2018年5月11日午前 津田沼校舎2号館にて

訊き手:今日は2018年度から未来ロボティクス学科に着任された藤井浩光准教授にお話をうかがいたいと思います。藤井先生、どうぞよろしくお願いいたします。

藤井先生:こちらこそよろしくお願いします。

未ロボに着任して感じたことは?

訊き手:まず藤井先生はこの4月に着任をされましたが、未来ロボティクス学科の先生方は大きくわけて、機械工学系・電気工学系・ネットワーク工学系、それからハードか?ソフトか?に、分類されると思いますが、藤井先生の研究はどういった分類になりますか?

藤井先生:はじめに本学にエントリーするときの公募には「ロボットビジョンの教員を募集」しているってありまして、私自身はロボットビジョンをずっと専門でやってきた人間ではないのですが、特に博士課程以降に「ビジョンの研究」をすることが多かったので、ちょうどいいと思って手をあげました。私は、どちらか寄りか?ハードか?ソフトか?と言えばソフト寄りの人間です。

訊き手:そうしますと前回インタビューした上田先生に近い?(上田先生:インタビュー参照

藤井先生:そうですね。近いというかご存知かもしれませんけど上田先生と私は同じ研究室出身なので。

訊き手:そうなんですか?!出身大学が同じという認識だけでした。

藤井先生:私の先輩なのです。上田先生は。

訊き手:じゃあ同じ研究室で重なっている時期があったんですか?

藤井先生:ありました。私がB4で入ったとき、上田先生は当時助手。今でいう助教ですね。

訊き手:先ほどの「ビジョン」っていう言葉は聞きなれないんですが、例えば中学生や高校生に分かりやすく説明するとどんな研究なんですか?

藤井先生:画像を扱う研究ですね。ビデオなどの動画像も含めてなんですけど、そういったものから情報を抽出したり加工したり。画像を使うときは何かの目的があると思うのですけど、より目的に合ったような提示の仕方だとか、余計なものが映っていたら消すだとか、そもそも目的のための計測の仕方だとか。

訊き手:はいはい、なるほど。

藤井先生:一般的な画像処理全般から、ロボットビジョン、たとえばそれはロボットの目に相当して、周囲をセンシングした結果から何らかの情報を得る手法を研究したりします。

訊き手:ではこちらの研究室でもこの4月から徐々にそういったことの研究を始めていらっしゃる?

藤井先生:そうですね。

訊き手:メインになるわけですね?

藤井先生:そうです。とくに3年生の学生はそういうことを期待して研究室にきていると思うので、ぜひやっていきたいと思っています。

訊き手:じゃあ普段の講義の方ではそういった部分の担当をさせているのですね?

藤井先生:はい、冬学期から3年生向けに「ロボットビジョン」っていう授業をやらせていただきます。

訊き手:いまの授業はどういった内容の担当なんですか?

藤井先生:研究室の立ち上げのバタバタを考慮していただいているのか、今年(2018年度)の夏学期は千葉工大では授業がありません。

訊き手:なるほど。そうですか。

藤井先生:全員の教員でやるようなオムニバス形式のものは、担当させてもらったりするのですけど。シラバス上に載っている授業はないです。

訊き手:ざっくばらんに千葉工大に着任されてイメージはどうですか?まだ1か月ちょっとですけど。

藤井先生:はい、表面的なイメージでいうとキャンパスがとにかく綺麗だということと、システム化を意識されているなというイメージがあります。

訊き手:今までとは違うのですか?

藤井先生:はい、今までの東京大学は国立ですから“古き良き”みたいな感じで、授業の配布資料とか、千葉工大がiPadを使って行っている出欠チェックも紙ベースですし、古い建物なども多いのですが文化遺産になっていたりして改修工事ひとつ行うのも大変みたいです。

訊き手:取り壊す壊さないをニュースで報道されていたことがありましたね。ちょうどその前後だったか所用で本郷へ行ったとき立派な樹が伐採されていて、その時の木の香りを今でも思い出します。

藤井先生:ああいうレトロな雰囲気が好きな人には良いのかもしれないですけども、いかんせん機能性の観点では、新しいほうが良いってこともありますね。私は生活をするなら近代的な綺麗な方が好きです。

訊き手:他に何かありますか?

藤井先生:他はですね、まだ千葉工大の学科はここしか知らないのですけど、先生方の仲が良いのとフランクだなっていう感じがします。

訊き手:なるほど、なるほど。

藤井先生:あと “会議を減らそう”みたいな、そういうポリシーを皆さん意識されていて、積極的に実践しているのはとても好感が持てました。会議やミーティングに割く時間は、前職から圧倒的に減りましたね。

訊き手:圧倒的ですか?

藤井先生:はい、そういう拘束時間は減りましたので非常にありがたいですね。

訊き手:おそらく学科として努めてそういう雰囲気なんですかね?

藤井先生:そうですね、はい。そういえば、ここに来る前にも、上田先生から「この学科の良いところの一つは会議が少ないことだ」と伺っていました。

訊き手:そんな話があったんですか(笑)今まで多かったんですね?

藤井先生:そうですね。限られた時間なのでそこは大きいですよね。前職の時には私は学科でも一番の新参者だったので、出席して発言権はあるのでしょうけれども、発言する場がなくて、それで基本的に「何で私ここにいるのかな?」って(笑)

訊き手:なるほど(笑)たしかに結論が出ないで終わってしまう会議とか多いかもしれません。一般的に(笑)そういう部分で今までと全く違うと。

藤井先生:文化の違いを感じましたね。良い面も悪い面も相互にあると思いますが。例えば、こちらの大学ではボールペン1本から検収を受けるっていうのは、さすがにちょっと驚きましたね。

訊き手:どうせやるなら徹底的にやらないとタガがどんどん外れるからというのはあるんでしょうね。若い先生が比較的多いというのはありますか?

藤井先生:あっ、それも思いましたね。学科長の菊池先生もお若いですし。学長もご自分でおっしゃっていましたが、若い方ですよね。

訊き手:そうですね、お若いです。非常に気さくですしね。若い分、活力がみなぎっていると感じています。

藤井先生:私もそういう意味では、環境的にはすごくやりやすく感じています。

雪はじゃれるもんじゃない闘うものだ!?

訊き手:なるほど。話題をかえて、藤井先生はどちらのご出身ですか?

藤井先生:出身は福井県です。

訊き手:そうですかー。おいくつまで福井にいらしたんですか?

藤井先生:18歳ですね。大学受験といっしょに出てきて、ちょうど人生の半分は東京で過ごしています。

訊き手:福井の有名なものは何でしょうか?

藤井先生:よく聞かれますが、答えに困ります。福井に詳しくなる前に上京してしまったもので。今となっては多くは止まってしまいましたが、原発銀座って言われたほど原子力発電所がたくさんあったり、食べ物だとカニとかソースカツ丼だったり、工業製品だとメガネですかね?

訊き手:鯖江ですね。なるほどそうですか。じゃあ福井の方に今も帰省されたり?

藤井先生:はい。母や弟妹が福井に住んでいるので。

訊き手:私はここが地元なので故郷があって帰省できる人がうらやましいです。たまに帰省って楽しみですね?

藤井先生:そうですね。ところで、福井県って冬の空がとても暗いのですね。11月~2、3月あたりまで、鉛色の空で…。

訊き手:あーわかります。まさに曇天、鉛色。

藤井先生:私は、あの冬の雰囲気が嫌いで。寒いですし、雪かきとかしなきゃいけないですし(笑)

そういう意味で、東京に受験に来たとき、2月ですかね。2月なのに青空で、そこにすごく感動して。ああ、もう東京に来ようって思ったんです。それぐらい感動しました(笑)

訊き手:・・・青い空が感動ですか、あああなるほど(笑)

藤井先生:福井自体は好きなのですけど、やっぱり冬の雰囲気が…。

訊き手:冬のスポーツとかいかがですか?

藤井先生:からっきしですね。ぜんぜんやらないです。

訊き手:ちなみに未ロボの先生ってバスケットをやってた方がなぜか多いですね。太田先生・青木先生それから菊池先生?上田先生もやっていらした。あと藤江先生。大久保先生はバスケットボールの弾道の研究。

藤井先生:そうなのですね。私はバスケットどころか、雪国出身なのにウィンタースポーツすら1回もやったことないです。スキー・スケート・スノボやったことないですね(笑)

訊き手:そうですか。へえー。なるほど。

藤井先生:東京に来てからもウィンタースポーツに誘われるたびに言うのですが、「雪はじゃれるものではなく闘うものだ」って、理解をしてもらったことはないですが。

訊き手:闘う!?なるほどそうですか(笑)

藤井先生:福井でも少数派ですけどね(笑)

あの頃一番嫌いなのは学校の先生だった

訊き手:今の研究を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

藤井先生:きっかけですか。・・・先ほどもありましたが、もちろんここの学科では“ビジョン”を頑張ってやろうと思っているのですけど、もともとは制御寄りのことをやっていたり、最適化だとか、機械学習とかもやっていたりしたので、分野としては広く浅く散らばっている人間ですね。そういう人間にとって、要素技術の集合体であるロボティクス分野っていうのは、進路として実に都合がよかったのです。だから、これがやりたいと志してこの分野を選んだというよりは、何でもありなのでロボティクス分野を選んだみたいなイメージです。非常に恥ずかしい話なのですけど、研究していること自体が好きなので、研究できれば比較的なんでも受け入れる立場の人間だったりしますね。

訊き手:なるほどー。それは遡ると、高校とか中学とか小学生のときからそういう物事を突き詰めることが楽しいって?

藤井先生:小中高の時はもちろん研究なんてやっていないのですけど。頭を使って何かに没頭・没入していることが好きだったので、目の前に対象があったら取り組むみたいな、そういうことをやりたくて。

訊き手:小中高ぐらいの時は没頭していることって何があったのですか?

藤井先生:なんでしょうねー?うーん。ただ普通に勉強はしていましたよね。

訊き手:勉強に没頭することが楽しかった?

藤井先生:はい。新しいことを次から次に知れたので、教科書とかも授業前にもらったらすぐに一通り読んじゃう人間でした。

訊き手:ほーなるほど。図書館なんか行ったらパラダイスですね?

藤井先生:はい、本は好きでしたね。

訊き手:それは小学生?

藤井先生:はい、小学校・中学校・高校と本は好きでよく読みましたね。

訊き手:なるほど、図書館にこもった方ですか?

藤井先生:図書館にはこもらずに借りてきて自宅でずっと読んでいました。おかげで目を悪くしちゃったのですけど。

訊き手:そういった性格的なところっていうのは、ご両親から受け継いでいるものなのですか?例えばお父さんがひとつのことに没頭する人だとか、おじいちゃんがそうだとか?性格とかって遺伝的なことがあったりするじゃないですか?

藤井先生:そうですねー。誰に似たとかわからないのですけど、兄が分野は違いますが、のめり込んだら調べつくすような人でしたので、系譜にそういう傾向はあったのだと思います。父親はどちらかというと浅く広く興味を持って、たぶん私の性格は父親からなのだと思いますね。だと思っています。

訊き手:そうですか。じゃあ将来「学校の先生になろう」というよりも没頭する中で気がついた時に先生になっていた?っていうタイプでしょうか?

藤井先生:先生になるつもりはまったくありませんでしたね。小中高のときにも、一番嫌いな職業が「先生」でしたから。もちろん個人としては素敵な先生もいらっしゃいましたが。

訊き手:そうでしたか、お嫌いでしたか(笑)このことって分かれますね。「先生になる」と目指していた方と、全くその分野へ行くと予想もしていなくて、でもメカが好きで気が付いたら「なってしまった」と。お嫌いだったんですか?

藤井先生:はい、大嫌いでしたね(笑)

訊き手:先生が(笑)

後編は近日公開です。

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