黒いラグビーボールみたいなやつ

 未来ロボティクス学科では3年生で研究室に配属されます。最初から卒論に向けて研究したり(早い場合は学会デビューしたり)、研究は4年からにして自分の作りたいものを作ったりと、比較的自由な1年を過ごします。講義がないわけではないので自由かどうかは審議ですが。

 で、少し前になりますが1月に成果の発表会がありました(違う会ですが雰囲気はこんな感じ)。そこにいたのがヘッダの写真のロボットでした。おもしろいのでツイートしたところ、95万回再生されました。学科の宣伝に貢献していただき大変ありがとうございます。

ロボットの正体

 このロボットは学科3年生、米田研究室の佐藤令崇さんが作成、飼育しているもので、中に円盤が入っており、それを回転することで前進、後退する力を生み出しています。佐藤さんは元々スターウォーズなどのSF映画に登場する球体のロボットが好きで、このロボットについては、オーバーウォッチというゲームに登場する「レッキングボール」という球体のロボットを操縦するキャラクターが好きで、そこに影響を受けたそうです(おっさんにはわからん)。球体で作るのは難しく、最終的には楕円形になったそうです。

 円盤を回すという機構に関しては球体ロボットを作ると決めてから考えたことで、どこから着想を得たかとかは特にないそうです。強いて言うならリアクションホイールの倒立振子だそうです。

その後

 出力をあげていったら一度破裂したのですが、現在はちょっと白くなって元気だそうです。ねとらぼさんにもとりあげられました。

おわりに

 ということで、こういうのを研究室の金で作りたい(←言い方が悪い)という人がいたら、ぜひ本学当学科をご紹介ください。もれなく黒いラグビーボールが轟音をたててお礼参りに伺います。嘘です。

日本ロボット学会誌論文賞

2022年に日本ロボット学会誌に掲載された上田研からの論文が、日本ロボット学会第38回学会誌論文賞に選ばれました。ヤンマーホールディングス株式会社さんとの共同研究でした。(現在は契約期間が終了しています。)

内容については上田研究室のページのとおりで、畑に植わっている葉や茎の茂った作物の木から、葉・茎・背景を識別し、さらに葉に隠れた茎がどこにあるか推定して見えている茎とつなぐというものです。この分野は進歩が早いのですが、当時はリアルに作ったコンピューターグラフィックを使って識別器(一般にはAIと呼ばれるものの一種)を学習させ、ほぼ緑色の画像から葉や茎を検出できるようにしたことが画期的でした。上田は理屈は分かるもののCGも深層ニューラルネットワークも直接扱ったことがないんですが、当時の学生さんにいろいろ無理をお願いして、なんとか形にできました。

ステージ上で映っているスライド
どら焼きくらいの大きさの重たい巨大メダルもいただきました

表彰式の後は懇親会があり、上田はビールを飲みすぎましたがそんなことはどうでもよく、とにかく共著者のみなさま、契約関係や特許関係でいろいろ面倒を見ていただいた事務方のみなさま、候補の論文をグエーと言いながらたくさん読んだ表彰委員の皆様、たいへんありがとうございました。

6/23オープンキャンパス(事前予約不要・入退場自由)

6月23日に開催されるオープンキャンパスでの当学科の出し物を紹介します!

学び体験: 2足歩行ロボットをつくろう

坂道を下りながら左右の足を振り子の原理で前に出して歩くロボットを製作します。 所要時間30分程度。ロボットは持ち帰れます。

どんなロボットかは、この動画をご覧ください。

モーターはついていなくて、坂を降りるときの位置エネルギー(この場合はベルトコンベアに持ち上げられて受け取る位置エネルギー)を使って歩きます
たくさんバージョン

屋外でロボットを走らせます

自分でセンシングして自分で考えて目的地まで移動するロボット(つまり自動運転の車のようなやつ)をキャンパス内で走らせます。

これも動画があるので出し惜しみしないで見せてしまいます。当日は雨が降るとか言ってますが私が晴れ男なのでたぶん晴れます(保証はしません)。あとは、当日は人が多いので、そこでちゃんと走るかが見ものです。人が多いと教員は嬉しいんですが、ロボットにしてみれば周りが見えなくなるので難易度が高くなります。

ポンと載せてあるパソコンが自分で考えて走ってます。パソコンが自分で動いてると思うと不気味ですね(と、専門の人間でも思うことがなきにしもあらず)

ロボットの展示

まだ準備中でいろいろ未確定(私がちゃんと確認してないだけ)ですが、王研究室からロボットをいくつか展示のために出してもらえるそうです。何が見られるかは当日のお楽しみということで!

学会発表のポスター展示

いつもはロボット実物を見せたり作ってもらったりしてある意味モノで勝負していたのですが、今回はさらに研究活動の活発さもアピールしようということになりました。去年から今年にかけて実際に学会で使ったポスターを壁に貼って展示します。前の記事にあるように、ひとつの学会だけで26件も発表しているくらいですので、当日はたくさん貼る予定です。

その他いろいろ

当日は部屋に学科の学生と教員が名札を下げてウロウロしているので、気軽に話しかけてください。相談コーナーもあります。また、別の部屋で入試の説明などもありますので、詳しくは大学のサイトのプログラムをご覧ください。

それでは、お待ちしております。

ロボットプログラミング選手権2023(病弱教育部門) 

 2/1に、王研、上田研の学生+上田でロボットプログラミング選手権2023(病弱教育部門) のお手伝いに、千葉県立仁戸名特別支援学校にお邪魔しました。

この大会は、病気で一時的、あるいは長期的な療養のために特別支援学校で学ぶ生徒さんが、ロボット相撲で競う競技会です。「土俵」は仁戸名特別支援学校にあり、ロボットはおなじものを用いるのでリモートで参戦可能で、生徒さんによっては病床から参加されているそうです。全国大会当日は、日本中にいる参加者がZoomで会して大会の様子を見守りました。

 上田は技術賞の審査員として参加しましたが、技術うんぬんより、生徒さんの気持ちの入り様を見て、このような有意義な会を作っている先生がたが素晴らしいなあと思った次第です。また、主役ではないのですが、コンテスト慣れしている弊学の学生さんたちのロボットのハンドリングや審判は堂々としたもので手際も完璧で、閉会式の上田研某氏のスピーチも落ち着いており、生徒さんへの良いメッセージに満ちておりました。普段の「教員はみなさんの保護者ではありません!」と説教せざるをえない姿とは正反対で、やはり人間、よい環境では光るんだなあと思い、深く反省しました。

 ただ、そういう話もあるんですが、技術賞の審査ではコードが汚いチームは容赦なくバッサバッサ切り捨てました。コードはきれいに書いてくださいっ!

 大会の詳細についてはこちらでは書きませんが、下に一昨年の動画を掲載しておきます。また、今年度の全国大会の様子はこちらからどうぞ。

米田研のロボットをYouTubeで公開

表題のとおり米田研では、ロボットが動いている動画を米田研のYouTubeのチャンネルにいくつかアップロードしたとのことです。チャンネル自体は以前からあって、4年前でアップロードが一旦止まっていたのですが、ロボットが動いている動画をこれからYouTubeに随時アップしていくとのことです。マニアックかつ学術的に価値のあるロボットがたくさんありますので、個人的にも楽しみです。チャンネルに登録しておくと、たまに配信されると思いますので登録をおすすめします。

個人的に好きなのをいくつか挙げます。まずは、壁に吸い付いて動き回るロボットです(音量注意)。修士の学生さんが最近作ったもので、完成度にびっくりしました。

“米田研のロボットをYouTubeで公開” の続きを読む

ROBOMECH2021

もう1ヶ月前のことになりますが、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門の大きな学会「ROBOMECH2021」がオンラインで開催されました。今年も当学科からは多くの発表がありました。今年もこんなに発表していますよ!と新習志野にいる1、2年生に知らせて目標にしてもらいたいのですが、学科で取りまとめをしていないので、とりあえず分かっているものだけ掲載します。

“ROBOMECH2021” の続きを読む

AWS Robot Delivery Challenge 2021 準優勝

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社主催の自律移動ロボットの大会、AWS Robot Delivery Challenge 2021にて、上田研究室林原研究室の4年生で結成されたチーム(池邉龍宏、岩井一輝、高橋秀太、春山健太チーム)が準優勝しました。昨年は優勝でしたので、本人たちは少し気落ちしていましたが、大変素晴らしい成績でした。

“AWS Robot Delivery Challenge 2021 準優勝” の続きを読む

2020年度日本機械学会教育賞

筆者: 上田

このたび、2020年度の日本機械学会教育賞をいただきました。当学科からの同賞の受賞は2007年度の米田教授につづいて2度目です。受賞理由は

  • 翻訳書「確率ロボティクス」と書籍「詳解 確率ロボティクス」の出版およびウェブ上への教材の公開

です。

“2020年度日本機械学会教育賞” の続きを読む