インタビューシリーズ:interview-07
- interview-21:「卒業生に訊く! -10- 」
- interview-20:「卒業生に訊く! -9- 」
- interview-19:「卒業生に訊く! -8- 」
- interview-18:「卒業生に訊く! -7- 」
- interview-17:「卒業生に訊く! -6- 」
- interview-16:「卒業生に訊く! -5- 」
- interview-15:「卒業生に訊く! -4- 」
- interview-14:「卒業生に訊く! -3- 」
- interview-13:「卒業生に訊く! -2- 」
- interview-12:「卒業生に訊く! -1- 」
- interview-11:「海外留学インタビュー」
- interview-10:「実用化に適したロボット創りを目指す」
- interview-09:「超人技ロボット」の開発
- interview-08:「卒業後の進路は?」
- interview-07:「新しい教育スタイルへのチャレンジ」
- interview-06:「蝶型の飛翔ロボットの実現を目指して」
- interview-05:「完全優勝したロボカップジャパンオープン2009(ヒューマノイドリーグ)」
- interview-04:「興味から専門:ロボット創造」
- interview-03:「プロの夢 ―― 18mのガンダムをつくる」
- interview-02:「ロボカップヒューマノイドリーグへ向けて」
- interview-01:「入学後半年経た一年生にナマの声を聞く」
実践から学問を追及: 新しい教育スタイルへのチャレンジ.... fuRo研究員が教壇に立つ「ロボット体験演習」
fuRoは先端技術の研究開発を進めるとともに未来ロボティクス学科の学生に対する教育にも積極的に取り組んでいます。 一年生最初の必修科目であるロボット体験演習では、まず「ロボットとは何か」をつかんでもらうため、古田所長自らが教壇に立ち、最新ロボットの解体や先端技術の紹介を交えながらロボット技術の基礎を「実践」してもらいます。制御基板のはんだ付けにはじまり、モータ制御、センサ処理、プログラミングなど、実物を手にしながら進める講義の中で、学生から飛び出したのはオリジナルロボット製作の要望。ロボット製作はそのまま講義の最終目標となり、パーツ調達を学ぶための秋葉原めぐりも決行しました。夏休みに食い込んでまでもロボット製作を続ける学生たちの高いモチベーションが功を奏し、入学して半年とは思えないようなハイレベルで個性豊かなロボットがたくさん生まれました。 |
未来ロボット技術研究センターfuRoの古田所長 |
後期には短期集中型のプログラミング強化コースを実施。fuRoの研究員が教壇に立ち、必要な部分だけをシンプルに解説。基本的なプログラムを中心とした演習の中で、そこに裏付けられたロボット技術をfuRoの研究用デバイスを持ち込んで紹介すると、学生たちは授業の延長線上にあるロボット技術に目を輝かせていました。 |
研究と教育との融合を図り、実践から学問を追及していくこと。
それは未来ロボティクス学科とfuRoの新しい教育スタイルへのチャレンジです。
「fuRo研究員のメッセージ」
ロボット体験演習授業を終えて。
大和秀彰, Ph.D. (Aerospace Engineering, The Pennsylvania State Univ.)
未来ロボット技術研究センター 研究員
2006年夏。今日も、朝から学生の対応に追われる。もう何日目だろう? それにしても11号館1階は、授業期間も終わっているというのに学生でごった返している。新入学生対象の「ロボット体験演習」授業。ロボットチャレンジプロジェクトは、とある学生の「1人1体、好きなロボットを作りたい!」という一言から始まった。それぞれの学生が定められた予算の中で、自分の好きなロボットを作る。大変なプロジェクトだ。
10人の学生が好きにロボットを作るとなると、間違いなく10種類のロボットとなる。これが全学年130人以上となると、先が思いやられる。何しろ入学当時の4月では半田付けすらしたことのない学生がほとんどなのだ。当然、さまざまなトラブルに見舞われる。「部品を逆向きに付けしてしまいました」「さっきまで動いてたんですけど」。
思えば、マイコンをひとつ与えただけで好きなロボットを作れなんて課題、浮き輪ひとつで海を渡れとでも言っているかのよう。学生達の熱意を元に始めたとはいえ、ずいぶんなチャレンジ課題である。ただ実のところ、思いのままに作るそれぞれの学生に最後まで付き添う指導側も相当な覚悟を持ってのぞんでいる。我々にとっても、まさに「チャレンジ」プロジェクトなのである。
見栄えにこだわる者、機構に凝る者、アルゴリズムで勝負をする者、学生はさまざまである。夏休みに入っているというのに、夢中になって頑張っている。少々うまくいかなくてもへこたれない。一生に一度しかない学生生活。何に重きを置くかは個人の自由。ただ何にも負けず、夢中になって挑戦をし続ける時期であってほしい。そして我々指導側もそうありたいと願う。
プロフィール氏名: 大和 秀彰(やまと ひであき)
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