インタビューシリーズ:interview-12
- interview-21:「卒業生に訊く! -10- 」
- interview-20:「卒業生に訊く! -9- 」
- interview-19:「卒業生に訊く! -8- 」
- interview-18:「卒業生に訊く! -7- 」
- interview-17:「卒業生に訊く! -6- 」
- interview-16:「卒業生に訊く! -5- 」
- interview-15:「卒業生に訊く! -4- 」
- interview-14:「卒業生に訊く! -3- 」
- interview-13:「卒業生に訊く! -2- 」
- interview-12:「卒業生に訊く! -1- 」
- interview-11:「海外留学インタビュー」
- interview-10:「実用化に適したロボット創りを目指す」
- interview-09:「超人技ロボット」の開発
- interview-08:「卒業後の進路は?」
- interview-07:「新しい教育スタイルへのチャレンジ」
- interview-06:「蝶型の飛翔ロボットの実現を目指して」
- interview-05:「完全優勝したロボカップジャパンオープン2009(ヒューマノイドリーグ)」
- interview-04:「興味から専門:ロボット創造」
- interview-03:「プロの夢 ―― 18mのガンダムをつくる」
- interview-02:「ロボカップヒューマノイドリーグへ向けて」
- interview-01:「入学後半年経た一年生にナマの声を聞く」
「卒業生に訊く! 」 未来ロボティクス学科一期生の羽根井さんに就職してからの今を訊く
聞き手: | 今日は,社会で活躍している未来ロボの卒業生に様々なお話を伺いたいと思っております. |
羽根井さん: | よろしくお願いします。2012年度未来ロボティクス専攻卒で,現在,日本電産エレシス株式会社に勤めている羽根井です. 丁度,未来ロボティクス学科の一期生となります. |
羽根井さん
聞き手: | 一期生ですと,先輩などもおらず,苦労されたと思いますが,どのような 大学生活,そして研究室生活だったのでしょうか? |
羽根井さん: | 確かに,大学生活では,先輩がいなかったので,これからの授業等の情報はありませんでした.そこが逆に,これからの大学生活への期待を高めていたと思います.実際に,実習等でグループを組んだ同期達とは,前例がない中,互いに試行錯誤しながら,連帯感を高める事が出来ました. また逆に,研究室生活では,所属した研究室が別の学科から未来ロボティクス学科へ移籍してきた所のため,他学科の先輩達が在籍されており,色々と指導して頂きました.研究への取り組み方はもちろん,先輩や後輩への接し方等,この時に培ったものが社会人になった今でも役に立っています. 振り返ってみると,研究室生活では,研究だけでなく,世代の違う人達と接する機会,人間関係を学ぶというものも大事な事だったと思います. |
聞き手: | 現在,会社ではどのようなお仕事をされていますか? |
羽根井さん: | 現在は,日本電産エレシス株式会社にて,自動車の先進運転支援システムに関する仕事をしています. 仕事内容としては,ソフトウェアを組んだり,製品のテスト,評価をしたりと広い範囲で仕事に携わっています. |
仕事風景
聞き手: | 自動車は学生にとても人気がありますが,様々な技術に支えられた裾野の広い業界だと思います. 就活のとき日本電産エレシスを選んだきっかけは何でしたか? |
羽根井さん: | 切っ掛けは,自分のやりたいことが出来ると感じたからです. 当時,私のやりたいことは2つありました.1つは,自分が組んだソフトウェアで何か大きなものを動かしたかった事.2つ目は,人の安全を支えられる仕事がしたかった事. 自分が組んだソフトウェアで車が動き,それが人の安全を支えることにつながる,それが出来る会社だと感じ,今の会社を選びました. |
聞き手: | 芯が通っていますね.では,その就職活動で最も苦労したことは何でしたか? |
羽根井さん: | 面接での自己アピールです. 面接官の方に対して,私はこんな人間です,とアピールすることに苦労しました.元々,自己表現やアピール等が苦手な人間だったので,研究室の教授や先輩,同期,果ては後輩にも練習に付き合ってもらったことを覚えています. |
聞き手: | チームワークですね.仲間に恵まれるというのは,とても幸せなことです. では,社会人になって,学生時代と違うことは何でしたか? |
羽根井さん: | 責任だと思います. どんな仕事にもいえると思いますが,学生時代とは違い,多くの面でお金が絡んでくるため,自分が行った事には大きな責任が付いて回ります.もし何か問題があれば,その影響は学生時代とは比較にならない範囲に及びますから,そこが違います. |
聞き手: | なるほど.さて,そんな羽根井さんですが,学生時代にはどんな学生でしたか? |
羽根井さん: | 心配性でしたね. 履修科目の登録の時は,登録を間違えてないよな,と何回も確認したり,研究成果が出た時も,本当にこれで正しいのか,とか.目的を達成するまで遠回りも多かったですが,逆にそれで助かった事もあったので,良し悪しでしたが. |
聞き手: | 学生時代一番思い出に残っていることを聞かせてください. |
羽根井さん: | 一番の思い出は,最初の学会発表です. 学部4年の時に研究成果を発表する機会を得られたんですが,論文を書いて,発表資料を作って,と非常に密度の濃い期間でした.初めてなので分からない事だらけで,研究室の人達に助けてもらいながら,二歩進んだら一歩下がる,という感じで.今だから言える事ですが,あそこまで一つの事に熱中したのは,人生で初めてだったかもしれません. |
聞き手: | とてもよい経験でしたね.でも,社会人としてこれからもそんな経験をたくさんすると思います. 充実した学生生活を送っていたようですが,そんな未来ロボティクス学科を選んだ理由は何でしたか? |
羽根井さん: | 元々,私が興味を持っていたロボット分野を学べることが理由でした. 私は一浪を経験しているんですが,その間に自分が本当にやりたいことを考えて,ロボットに行きつきました.その時にちょうど未来ロボティクス学科が設立されることを知り, ここに入りたいと思ったんです. |
聞き手: | いいタイミングでしたね.ロボット専門の先生が教養の数学を教えたり,3年生の4月から研究室に配属されて午後はずっと研究していたりと,設立当時は とても珍しいタイプの学科でした.学科のスタイルが羽根井さんには合っていたのかもしれませんね. では,最後に,未来ロボの学生たちに一期生の先輩としてアドバイスをお願いします. |
羽根井さん: | 自分がやりたいこと,興味を持てることを明確にすることが大事だと思います. 好きこそ物の上手なれ,という言葉がありますが,私は実際,その通りでした.そうすれば,勉強にしろ,研究にしろ,自分が納得して先に進んでいけると思います. |
聞き手: | 本日は,お忙しいところ,ありがとうございました.
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