トップinterview-14

インタビューシリーズ:interview-14

「卒業生に訊く! 」 未来ロボティクス学科1期生の小林さんに就職してからの今を訊く


聞き手:社会で活躍している未来ロボの卒業生に様々なお話を伺う「卒業生に訊く!」,シリーズ第3回ですが,今日は,1期生の小林さんに来ていただきました.現在就活中の後輩たちに先輩としてエールをお願いしたいと思っております.宜しくお願いします.
では,自己紹介からお願いします.
小林さん:こんにちは,2012年度未来ロボティクス専攻卒,現在SMC(株)に勤めている小林俊哉です.
小林さん

小林さん

聞き手: SMCといえば,シリンダなどロボットにも使われる機械要素メーカだとおもいますが,どのような事業展開をされているのでしょうか.
小林さん:エアシリンダ等の空気圧機器を中心に,温調機器や電動アクチュエータ,検出スイッチなど主に工場の生産設備で利用される様々な製品を展開しています.
聞き手:FA, ファクトリーオートメーション(工場における生産工程の自動化)を図るためのセンサやアクチュエータですね.私もメーカ勤務のときにだいぶお世話になりました.中でも,小林さんは,どのような仕事をされているのでしょうか.
小林さん:SMC(株)では様々な製品を作っていますが,私はその中で電動アクチュエータと呼ばれるモータを利用して動作するアクチュエータに関する仕事をしています.
現在は,新製品の試作品や要素部品の評価・検証が主な業務です.
聞き手:車からスマホまで,FAには欠かせない技術だと思います.未来ロボでもセンサ工学や,モータを扱う授業はあったと思いますが,そこで学んだ基礎技術とは異なる最先端の技術を目の当たりにしていることと思います,学生時代と比べいかがでしょうか.
小林さん:電動アクチュエータは単軸ロボットとも呼ばれることもあり,まさに多くのロボット技術が使われています.
詳しくお話する事はできませんが,先端技術に触れる機会もあります.
また,学生時代と大きな違いを感じたのはものづくりをする上で考慮すべき点がとても多いことです.
学生時代のものづくりは”思い通りに動く”という機能が一番でした,しかし会社でのものづくりでは機能はもちろん,コスト・信頼性・デザイン等々実に多くの事を慎重に検討していく必要があります.
商品として世の中に出すことの重みを感じますね.
聞き手:そのとおりですね.一発かっこいい動画が撮れればいいや,ぐらいに考えて製作している学生たちに言い聞かせてあげたいですね.
さて次に,学生時代についてお聞きしたいと思います.1期生にはよく聞く質問ですが,先輩がおらず,試験の過去問なども手に入らずというような状況だったと思います.実習や講義などではどのような苦労がありましたでしょうか.
小林さん:過去問などがないという状況が,逆によい緊張感となって講義に身が入りました.
また,私はメカの機構に関する研究を行いたいと考えており,希望の分野の研究ができる研究室に配属されるためにはある程度の成績が必要だと考えていました. この事も勉強へのモチベーションとなっていました.
聞き手:研究室配属も勉強へのモチベーションだったのですね.未来ロボでの研究室配属は,アピール枠と成績枠があり,希望人数が定員数を超えたときには成績上位の方が有利ですからね.さて,そうして3年生で研究室に配属され,研究生活をスタートさせたわけですが,どのようなものでしたでしょうか.
小林さん:配属されて本格的に研究が始まってからは,研究室中心の生活でしたね.
とにかく研究室で過ごす時間が多かったので,自然と研究室のメンバーとの繋がりも強くなりました.
研究で苦労することは多かったですが,気の合う仲間がいたので楽しく過ごせましたね. 希望通りの分野の研究もでき,良い環境でした.
聞き手:その後,学会に投稿した論文が奨励賞になるというすばらしい実績を残したわけですが,その分苦労も多かったと思います.設計・製作,実験の繰り返しの中で,当時の思い出を聞かせてください.
小林さん:まずは,過去の先輩が作ったロボットの発展形という形で設計に取り掛かったのですが,始めに掲げた目標を達成できそうな設計案がなかなか浮かばず苦労しました.
週一度の研究報告会にて何度も新たな設計案を出しましたが,ことごとく担当の先生にNGを喰らっていたのをよく覚えています(笑)
議論を重ね,やっとの思いでロボットが完成しましたが,実験でもなかなか思い通りの結果が出ませんでした.
跳躍ロボットの研究をしていたのですが,空中でのバランスや跳躍タイミングなどひたすら細かな調整の繰り返しで根気との戦いでした.
連日夜遅くまで実験室にこもる事もありましたが,目標としていた結果が出せ,更に奨励賞という形で努力が報われ嬉しく思っています.
聞き手:学生時代に学んだことで会社で今一番役に立っていることはなんでしょうか.
小林さん:物事に計画的に取り組む姿勢ですね.
研究では学会発表や卒業発表など数ヶ月や年単位で計画的に取り組む必要があります. このように自分で計画を立て長期的に何かに取り組むという事は,大学の講義やアルバイトではなかなか経験できない事だと思います.
会社での仕事は長いスパンをかけて行なわれる事が多く,この経験が大いに役立っています.
聞き手:学生たち皆に伝えたいですね.では,最後に,未来ロボの学生たちに一期生の先輩としてアドバイスをお願いします.
小林さん:研究室での生活は1,2年次に比べかなり濃密な時間になります.
院生は特にですが,研究内容が就職に繋がることもあると思います.
未来ロボティクス学科では幅広い分野を学びますが,自分の研究が始まるまでに自身がどんな事に興味があるかをしっかり考えられると良いと思います.
聞き手:本日は,貴重なお話ありがとうございました.今後の活躍を期待しております.