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インタビューシリーズ:interview-18

「卒業生に訊く! 」 未来ロボティクス学科1期生の阿久澤さんに就職してからの今を訊く


聞き手:社会で活躍している未来ロボの卒業生に様々なお話を伺う「卒業生に訊く!」,シリーズ第7回ですが,今日は,1期生の阿久澤さんに来ていただきました.
現在就活中の後輩たちに先輩としてエールをお願いしたいと思っております.
宜しくお願いします.
では,まず,自己紹介からお願いします.
阿久澤さん:未来ロボティスク学科一期生の阿久澤です。高校ではファッションと弓道とロックが好きな高校生でした。もの作りは好きでしたが、ロボットは未経験でした。
ただある日、新学科開設のパンフレットを見てこれはチャレンジだな、と思い入学を決意しました。
阿久澤さん

聞き手:確かに,一期生を思い出すとチャレンジングな学生が多かったように思いますね.

さて,まずは会社についてお尋ねしたいと思います.
阿久澤さんはGoogleに勤務しているわけですが,現在はどのような仕事をされて いるのでしょうか.
阿久澤さん:弊社では検索連動型広告、Google AdWordsの営業サポートを行っており、主に中小規模の広告代理店を担当しています。全国で多数のクライアントのアカウントを運用する広告代理店様が効率よく運用できるよう日々様々な施策を行っています。
聞き手:GoogleはIT業界の巨大多国籍企業であるわけですが,学生時代,どのようなきっかけでIT業界,また,Googleで働きたいと思ったのでしょうか.
阿久澤さん:師事していた富山教授から、アメリカの大学院生の勉学への本気度合いがとても高く競争社会だ!という話をずっと聞いていて、「ほんとかな、ほんとなら挑戦 したいな」という気持ちで研究留学した時に、留学先のPenn Stateの研究レベ ルの高さに驚きました。もっとこういう世界レベルのところで戦いたい、と思ったのがきっかけです。
聞き手:なるほど,富山先生の影響でしたか.やはり留学の経験もずいぶん会社選びに影響していたのですね.
留学先から帰国してからの就職活動はどのようだったのでしょうか.
阿久澤さん:外資系の広告の企業で働きたかったので、Googleと、もう1社の計2社に絞って就職活動を行いました。
自分は興味関心が強いほど力を発揮するタイプなので絞りました。
幸運にも2社とも内定をいただき、テクノロジーの会社の魅力にやられてGoogleに決めました。
聞き手:さすがです.

では,その興味深いテクノロジーを持つ会社で,これからどのような仕事をしたいと思っていますか.
5年後,10年後のビジョンを聞かせてください.
阿久澤さん:自動運転のプロジェクトにとても興味があります。身近の友人の交通事故をきっかけに、早く世界中でヒューマンエラーによる交通事故を無くせるように、自動運転が普通になる社会になればと思っている ので、社内外に問わずそういったプロジェクトに関わる仕事をしたいと思っています。
聞き手:世界が注目している分野ですね.他社の同級生たちともいい競争をしながら 技術を確立して欲しいものです.

では,次に,学生時代についてお聞きしたいと思いますが,まず入学当時はどのような生活でしたでしょうか.当時ロボカップで活躍していたと記憶しています.
阿久澤さん:ロボカップでは半年ヒューマノイド、1年半をレスキューロボットのチームで過ごしました。高校のときにロボットについて何も知らなかったわけですから、PWMって何?フライスって何に使うの?と戸惑いの連続だったことを覚えています。
ほとんどの時間をロボット製作に当てていましたが、その時お世話になった先生、仲間、他大学の方々から得た知見や、最高の結果を目指す姿勢には今でも影響を受けています。

※ロボカップ: ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボットによるサッカーを題材とし,2050年「サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる自律型ロボットのチームを作る」ことをコンセプトとしたロボットの競技大会.
※PWM: Pulse Width Modulation.モータを制御するときなどに使う信号.
※フライス盤: 工作機械です.
聞き手:よい経験でしたね.今でもロボカップでは千葉工大は世界の強豪校です.

次に研究室での生活についてお聞きします.
3年生になって研究室配属になり,どのような研究をされたのでしょうか.
阿久澤さん:富山教授の研究室に入り、感性工学という人間が感じ取ったり、表出できる感情の研究や介護者支援ロボットの研究を行っていました。
”感性”というまだ誰も定義化できていないものを如何に定量的に評価するのか、常に研究室では暇さえあればディスカッション?していたことを覚えています。
楽しかったですね。
聞き手:研究が楽しいと感じられるのはすばらしいですね.
そういう学生と一緒に研究の議論ができるのが,教員にとってもとても楽しい時間です.

阿久澤さんは学部を卒業して大学院に進んだわけですが,進学を決めた一番の理由は何だったのでしょうか.
阿久澤さん:留学したかったからです。上記にもありましたが、富山教授から聞いていたアメリカの大学院生ってどんな雰囲気なのか、高い意識の研究室で戦ってみたかったので、進学しました。
聞き手:なるほど.その後,見事に学内選抜を勝ち抜き留学されました.
未来ロボの一期生ですので,初めての留学生だったわけですが,どのような経験だったでしょうか?
実は,このinterviewシリーズの「海外留学インタビュー」でもお話していただいているのですが,あれから4年経ちましたね.阿久澤さんが起爆剤となり,未来ロボの学生たちはずいぶんと留学するようになりました.

※海外交流協定大学:千葉工大では現在,海外にたくさんの協定校があります.
http://www.it-chiba.ac.jp/support/exchange/university.html
阿久澤さん:驚きの連続でしたね。留学前は英語が全然できなかったのですが、初めての担当教授とのmeetingで、「どのプロジェクトをリードしたい?」と聞かれて慌てたことを覚えています。

いきなりPMかと。英語わからないぞと。笑

そこからスタックしていたプロジェクトをドライブして、2名の学部生をチームへ入れて彼らとともに10台の協調動作ロボット群を製作しました。
何も知らない環境で1年という決められた時間で、必要なリソース、ヘルプ、コ ネクションを自分で発掘してプロジェクトを行うという経験は自分の経験のなかで大きかったなと思います。
聞き手:改めて聞くと本当に濃密な学生時代でしたね.

中でも一番の思い出は何でしたか.
阿久澤さん:一生懸命やるのって楽しいな、と思えたことです。
富山教授から常日頃「仕事も遊びも両方100%やれ」と言われていましたが、その通りだったなと思います。
気づかせていただいたことに感謝しております。
聞き手:教員冥利に尽きる言葉です.
では,もう十分にいいお話を聞かせてもらったような気もしますが,最後に,学生たちにアドバイスをお願いします.
阿久澤さん:好きなことを好きなだけやったらいいと思います。そうすると周りも助けてくれるので。

その時に助けていただいた方々への感謝を忘れずに、好きなだけ楽しんでくれたらと思います。
聞き手:本日はありがとうございました.
社会での活躍を期待しております.